
『勝手に!カミタマン』(かってにカミタマン)は、1985年4月7日から1986年3月30日までフジテレビ系で全51話が放送された特撮テレビ番組で、東映不思議コメディーシリーズ第5作目。
『ペットントン』『どきんちょ!ネムリン』から続く動物・ペット路線だが、本作品では主人公の少年がヒーローに変身するという要素が加わっており、数々のヒーロー番組を制作してきた東映・石ノ森章太郎による当時としては斬新なヒーロー番組のパロディ作品となっている。
「►どきんちょ!ネムリン」の後継番組で、「►東映不思議コメディシリーズ」の第5弾となる作品。
「どきんちょ!ネムリン」→「勝手に!カミタマン」、このタイトルの付け方に、前作からの流れを感じます。
本作の不思議キャラも前作と同様、「マペット」が使われていますが、歩行ギミックやラジコン操作による表情の変化などが可能になっており、前作よりも感情表現が豊かになっています。
また、本作では、メインキャラの男の子が「ヒーローに変身する」というシリーズ初の設定が盛り込まれている点が特徴です。
ただし、ドタバタコメディである事には変わりは無く、ヒーロー(ネモトマン)の「ヘタレ」っぷりがギャグであり、加えて、原作者「石ノ森章太郎」のヒーロー像のパロディ的要素にもなっています。
■あらすじ
何をやってもダメな少年「根元伸介」は、スーパーヒーローに憧れていた。
ある日、失恋の痛手を背負って砂浜に来ていると、海の向こうで突然爆発が発生。
砂浜に流れ着いたのは固く閉ざされたカップ麺の容器のような物だった。
家に持ち帰り、お湯を注ぐと、そこから得体の知れない生物が……。
伸介は意識を失った。
翌朝、夢かもしれないと昨日を思い返す伸介だったが、朝の食卓にその生物が出現。
彼は、南洋のカミタン島からやって来た子どもの神様「カミタマン」であった。
カミタマンは根本家に居候することとなり、伸介は、神の力で念願の「ザ・ネモトマン」というヒーローに変身できるように!
「神に代わって悪を斬る、正義のスーパーヒーロー、爆発!ザネモトマン!」
格好良い掛け声よろしく、女の子にちょっかいを出す不良、喧嘩中の夫婦などの前に颯爽と現れ、事件解決にのぞむ。
しかし、今ひとつパッとしない本人の性格もあって毎回ご町内に大騒動が起こるのだった。
はい、それでは、オープニング、エンディング、行ってみましょう。
勝手に!カミタマン OP/ED
♪カモン カカモン カカモカ カミタぁ~♪
うわっ、このフレーズ、覚えてるわー(^^;
懐かしい。
歌っているのは、劇中、カミタマンの声も担当している「田中真弓」です。
声で分かると思いますが、「ドラゴンボール」の「クリリン」や、「ワンピース」の「ルフィ」でお馴染の声優さんですね。
エンディングは、かなりコミカルな感じで、作品のイメージに合ってる気がします。
歌っているのは、「ザ・スーパーヒーローバンド」。
詳細は不明ですが、本作に関係する俳優、声優陣が歌っているのかな?
さて、カミタマン。
その不思議キャラの姿をもう少し、詳しく見てみましょう。
「神様」と言うには、あまりにも愛嬌のあるお姿(^^;
まあ、子供の神様ということなので、可愛らしさもあるんでしょうが・・・
でも、これ、間違いなく、アレ、ですよね。
そう、コレ↓
ウーパールーパー!
正式名称は、「メキシコサンショウウオ(メキシコサラマンダー)」。
リアルと比較すると、似てないですけど・・・
イラストだと、だいたい、こんな感じ↓のやつをイメージしますよね。
頭の横に「突起」が出ていて、「ピンく色」のキャラ。
何よりも、本作が放送された1985年は、「ウーパールーパーブーム」だった年です。
この年、日清のカップ焼きそば「U.F.O」のCMに登場し、大ブームとなりました。
キャラクターデザインにおいて、このブームが影響しているのは、間違いないでしょうね。
それから。
冒頭にも書いた通り、本作では、メインキャラクターがヒーローに変身するという、不思議コメディシリーズにおいては、新機軸となる設定を盛り込んでいます。
やっぱり、「不思議生物」が巻き起こすドタバタ、だけでは、ストーリーの幅が広がらず、マンネリ化は避けられないでしょうから、それ故の演出なのかな、と思います。
しかし、この「ネモトマン」というアイデア。
実は、前々作「►ペットントン」に一度、登場しているんですね。
ペットントンには、「根本」という準レギュラーキャラが登場して、この根本君絡みのエピソードが多々あります。
その中で、ペットントン第20話「根本君はスーパースター」という回に、「ネモトマン」が登場します。
この「ネモトマン」、結構、評判が良かったのか、最終話にもほんのわずかながら登場するみたいですね。
おそらく、この時のアイデアがベースにあって、本作に繋がったのは間違いないでしょう。
ペットントンの脚本は、アニメや特撮など多くの作品を手掛けている「浦沢義雄」が一人で担当していました。
そして、もちろん、本作にも脚本の一人として参加しています。
ちなみに、浦沢さんは、「不思議コメディシリーズ」において、唯一、全シリーズに渡り脚本として関わっており、400話以上のエピソードを提供しているみたいです。
なお、ペットントンの「根本少年」と本作の「根本少年」は、全く関係性はないみたいです(^^;
はい、という事で、勝手に!カミタマン。
「東映不思議コメディシリーズ」第5作目。
視聴率は、結構、良かったようで、最高で17.8%を記録しています。
これは、全シリーズ中、8位の数値のようですね。
残念ながら、映像ソフトについては、全話収録のものはありません。
2008年に発売された「石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX」に第1話が収録されたものが唯一のようです。
いつの日か、映像ソフト化されると良いですね。
以上
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