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【ワンダースリー】手塚治虫もキレた?紆余曲折の末に誕生したSF作品




【☞W3(ワンダースリー)

『W3』(ワンダースリー)は、虫プロダクション制作のテレビアニメ、およびそれと設定を同じくする手塚治虫のSF漫画作品である。

『ジャングル大帝』に続く虫プロ3番目のアニメ作品で、虫プロ内の余剰人員を活用する目的で出された企画をその端緒とする。『W3』が形になるまでに、2度虫プロの企画と似たアニメが他の会社から制作され、虫プロではその都度設定変更を行っている。

漫画版は当初『週刊少年マガジン』に掲載された(1965年13号 - 18号)。
その後、設定を見直した上で掲載誌を『週刊少年サンデー』に変更して連載された(1965年5月30日号 - 1966年5月8日号)。

手塚治虫」原作のSF漫画・アニメ、W3(ワンダースリー)。

wonder3-manga.jpg

「►鉄腕アトム」、「►ジャングル大帝」に続く、虫プロとしては、3作目のアニメとなります。
前2作は、かなり知名度が高い作品なので、私もよく知っていますが、ワンダースリーの知名度って・・・。
私は見たことがありません(^^;

実は、このワンダースリー。
アニメ(漫画)を製作する上でいろいろと紆余曲折があったようですね。
上の説明にも書いてある通り、2度の設定変更を余儀なくされ、また、掲載雑誌も変更することになった事件、俗に「W3事件」と呼ばれる災難に見舞われています。

【☞W3事件

W3事件(ワンダースリーじけん)は、手塚治虫が漫画『W3』の掲載誌を『週刊少年マガジン』から『週刊少年サンデー』に切り替えた出来事のことである。

虫プロダクションは1965年当時にアニメ用の作品を企画していたところ、それとそっくり同じ企画が他のプロダクションから製作されていることがわかり、虫プロダクションの中で産業スパイがいるのではないかという疑惑が起こった。そして、虫プロダクションの社員たちの中でもその疑惑が話題になり、何人かが虫プロダクションを辞めることになった。

手塚はそのアニメの企画を『W3』という名前で並行して『週刊少年マガジン』で連載することになるが、連載6回目で『週刊少年サンデー』に掲載誌を変更した。この突然の掲載誌変更が「W3事件」である。

連載誌を変えた理由について手塚は、「虫プロダクションの事情」と「W3のスポンサーはロッテで宇宙少年ソランのスポンサーは森永という広告業界の関係」と語っている。また、手塚はこの件に関しては誰も責めておらず、講談社漫画全集のあとがきにおいては、講談社に迷惑をかけたことについて謝罪している。

事件までの経緯をざっくりと説明すると、

1.手塚治虫がアニメの新しい企画を構想する
2.それと似たアニメ(「レインボー戦隊ロビン」)が製作された

wonder3-rainbow_20160202170627c1a.jpg

3.仕方ないので設定を大幅に変える
4.またまた、内容の似たアニメ(「宇宙少年ソラン」)が製作された

wonder3-soran.jpg

5.スパイ(内通者)がいるんじゃね?と騒ぎになる
6.設定を変えて、「マガジン」に連載開始
7.なんと「宇宙少年ソラン」もマガジンで連載されることに
8.マガジンではやってられないよ→「サンデー」に変更

と、こんな感じ。
更に詳しい内容は、ウィキペディアに譲るとして、虫プロから退社する人も出たり、講談社側も編集長が辞任したり、そして、手塚治虫と講談社の関係が一気に悪化したり・・・と、当時の業界では、一大事件だったようですね。

この事件をきっかけに、講談社(マガジン)は、「さいとうたかを」、「水木しげる」と言った劇画調の作家を積極的に起用していきます。
この劇画路線を推進した裏には、手塚治虫への反発心があったと、当時の編集長が述懐しています。
そして、1966年開始の「►巨人の星」で「梶原一騎」を看板作家に掲げて、以後のマガジンは、青年向け路線で劇画ブームを巻き起こし、一方で手塚治虫は低迷期に突入していくことになるのでした。

・・・なんとも皮肉な話ですね。
でも、何か歴史のターニングポイントみたいな事件で、興味深いです。


はい。
前フリが長くなりましたが、ワンダースリーのアニメについて、見て行きましょう。
■W3 アニメ(モノクロ)

wonder3-opning.png

アニメ版は虫プロダクション製作で、1965年6月6日 - 1966年6月27日にフジテレビ系で全56回(全52話+リピート放送4回)で放送されたモノクロ作品。
初回から第35回までは日曜19:00~19:30の枠、第36回目以降は月曜19:30~20:00の枠で放送された(地方局では放送の曜日や時間帯は異なっていた可能性がある)。
提供はロッテ。
大まかなプロットは共通しているが、全52話のうち大部分が漫画版とは異なっている。

■あらすじ

1970年代、世界はいまだ戦争に明け暮れていた。
その噂は、宇宙の果てまで伝わっていった。

そんな頃、銀河パトロール要員の宇宙人3人(W3)が銀河連盟から派遣され地球にやってきた。
彼らの任務は1年の調査の後、地球人が良い生物ならそのまま地球を残し、そうでなければ反陽子爆弾で消滅させるかを決定することであった。
ボッコプッコノッコの3人は地球の動物の姿を借り調査をすることにし、それぞれウサギカモウマとなる。

プッコ(カモ)/ボッコ(ウサギ)/ノッコ(ウマ)
wonder3-3.png

星 真一」少年は山火事にまかれ死にかけていた3匹を救出したことで、彼らと知り合いになり行動を共にすることになる。

真一少年と、その兄で地球を守る秘密機関フェニックスのメンバーでもある「星 光一」の行動を見守る3人。

星 真一/光一
wonder3-hoshi.png

そして、最後に彼らが選んだ地球の運命とは・・・。

wonder3-scene3.png


それでは、主題歌です。

ワンダースリー 主題歌



いやー、かなり味のある主題歌ですね。
男性コーラスのメロディもそうですが、モノクロというのが古さを際出させています。
見たことはないんですが、なぜか、こういった雰囲気にはノスタルジーを感じてしまいますね(^^;

さて、ワンダースリー。

wonder3-scene1.jpg

放映開始からしばらくは常時20%台を維持する好視聴率をマークしていたようですが、その後、同時間帯に円谷特技プロダクションの特撮番組「ウルトラQ」が放送開始され、視聴率は1桁台にまで急落。
放送時間帯を変更するに至りました。

wonder3-ultraq.jpg

もともと、円谷の特撮技術をよく知っていた手塚治虫は、ウルトラQが始まること知った時点で、W3の前途を危惧していたようです。
そして、その不安は的中。
特に、息子さんが、ウルトラQを見た後の興奮ぶりが凄く、その後に、W3にチャンネルを変えた時、「ああ、負けた」と痛感したらしいです。
また、「円谷英二」の息子であり、当時フジテレビ映画部に所属してW3を担当していた「円谷 皐((つぶらや のぼる)」は、ウルトラQが始まり、W3の視聴率が一気に急落して複雑な気持ちだったと述懐しています。

うわー、何か切ないエピソード(^^;
息子」の姿を見て、自分の作品の人気低迷を思い知らされた父・手塚治虫。
逆に、「」の成功によって自分が担当していた作品が低迷した息子・円谷皐。
特に、円谷親子と手塚治虫の関係が、何とも言えない巡り合わせですね。

ただ、「W3事件」後のマガジンの隆盛と同じように、これも時勢の変化を感じる出来事だと思います。


はい、という事で、W3(ワンダースリー)。

wonder3-scene2.png

W3事件」と呼ばれる騒動まで発展した末に製作された手塚治虫の作品。
それでも、放送開始からしばらくは順調で、高視聴率を獲得しました。
しかし、最後は、ライバルとの視聴率争いに負け、全52話で終了しました。
まあ、初期の手塚治虫のアニメ「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」が異常なだけで、全52話(1年)続いたんなら普通じゃね?
と、思うんだけど(^^;
映像ソフトは、2008年にDVD-BOX(全2巻)が発売されています。

wonder3-dvd.png

また、「バンダイチャンネル」では、ネット配信(1話無料)もされているようです。

■バンダイチャンネル

興味のある方は、ぜひ。

以上




※みなさんの感想、思い出など、コメントお待ちしております
【ワンダースリー】
手塚治虫もキレた?紆余曲折の末に誕生したSF作品
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コメント

1052

時期的に似たような内容の作品が集中して出てくるコトてたまにあるけど、この65~68年あたりはやっぱりいろいろとターニングポイントだったみたいね

ちょうど手塚マンガから劇画への移り変わりが始まったり、手塚作品とあまり縁がない週刊少年ジャンプの創刊もこのころだし 

2016/02/08 (Mon) 19:08 | あの頃の名無し #- | URL | 編集
1342

アニメの方は視聴したことがないですが、漫画版は読みましたね。
手塚治虫作品では「鉄腕アトム」や「ブラック・ジャック」なんかよりマイナーですが
私としては本作の方が印象が強いです。
巻数も少ないしお勧めの作品です。

2016/03/20 (Sun) 21:17 | あの頃の名無し #- | URL | 編集

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