
『ウルトラマンレオ』は、1974年(昭和49年)4月12日から1975年(昭和50年)3月28日までTBS系で毎週金曜日19:00 - 19:30に全51話が放送された円谷プロダクション・TBS製作の特撮テレビ番組と、その劇中に登場する巨大変身ヒーローの名前である。ウルトラシリーズ第7作であり、第2期ウルトラシリーズの最終作にあたる。
本作は、それまでのウルトラマンシリーズと基本的には同じフォーマットを踏襲したドラマづくりがなされているが、その作風は大きな変化を遂げている。
企画書には「骨肉相食む人間ドラマ」の方針が明記され、毎回(厳密には第39話まで)のシナリオの表紙には「生きる厳しさと哀しさを鮮烈に謳う」のキャッチコピーが掲げられた。これらのコンセプトに則り、主人公・おゝとり(おおとり)ゲンが強敵や周囲の人間たちとの軋轢によって過酷な状況に追い込まれて苦悩し、成長していくストーリーとなった。そのための特色として、ゲン=ウルトラマンレオがそれまでのウルトラマンのようにM78星雲光の国出身ではなく、故郷を失った宇宙人と設定されている。
「►ウルトラマンタロウ」の後継番組で、ウルトラシリーズとしては、第7作目となるのが、ウルトラマンレオ。
当時、空手・カンフー映画ブームだったこともあり、それまでの光線技ではなく格闘技を用いて戦うスタイルとなり、スポ根・アクション要素を全面に押し出した作風となっています。
そして、変身できなくなった「ウルトラセブン」=「モロボシ・ダン」が主人公を指導する役を担い、それを取り巻く民間人が中心になってドラマを進めるスタイルをとっています。
また、メインターゲット視聴者の子どもたちの視点に立つ人物として、「梅田トオル・カオル兄妹」が登場し、もう1人の主人公と言える立場で後半のドラマを担っていくことになります。
はい、それでは、主題歌、行ってみましょう。
主題歌は、前期、後期の2種類があります。
途中で主題歌が代わるのは珍しいですよね。
まずは、前期から。
ウルトラマンレオ 主題歌(前期)
「ウルトラマンレオ」(第1 - 13話)
この曲、格好良いですよねー。
ウルトラシリーズの中でも、かなり好きな曲です。
ただ、初めて知ったのですが、これ、2番の歌詞が使われているらしいです。
ついでなので、フルコーラス版の動画を貼っておきます。
ウルトラマンレオ 主題歌(前期)フルコーラス
ああ、確かに2番の歌詞ですね。
1番の歌詞には、「地球の最後が来るという」、とかあるんで使わなかったのかな(^^;
歌っているのは、「真夏 竜」。
主人公「おおとりゲン」(ウルトラマンレオ)を演じている人ですね。
続いて後期の主題歌。
ウルトラマンレオ 主題歌(後期)
「戦え!ウルトラマンレオ」(第14 - 51話)
前期より、少し明るくなってマーチっぽい感じになってますね。
でも、前期の方が好きだなあ(^^;
歌っているのは、「ヒデ夕樹」(テロップでは、「平野英之」と表記)。
「秀夕木」名義でも多くの特撮、アニメの主題歌を歌っている方ですね。
映像については、前期、後期でほとんど変更はありません。
宇宙パトロール隊MAC(Monster Attacking Crew)の主要メカ発進シーンを用いたものとなっており、これは、前作のタロウでも使われた演出ですね。
さて、ウルトラマンレオ。
それまでのウルトラシリーズに登場したウルトラマン達と大きく違う設定があります。
それは、出自。
ウルトラマンレオは「ウルトラ兄弟」と異なり、「M78星雲・光の国」ではなく「獅子座L77星」の出身なのです。
故郷を「マグマ星人」に滅ぼされたため、故郷と瓜二つの地球にやってきて「おおとりゲン」の姿で生活している、いわば「宇宙難民」なのです(^^;
現在、ヨーロッパではシリア難民を含め中東からの難民・移民の受け入れについて、いろいろとニュースになっていますが、まさに、ウルトラマンレオもそんな境遇のキャラクター、凄い先見性?です(^^;
なので、ウルトラ兄弟とは関係がありません。
それを強調するように、頭部のデザインが複雑化され、一見すると人間の髪型を思わせるようなデザインになっています。
確かに、頭部は、奇抜なデザインですよね。
獅子座出身ということで、ライオンのたてがみをモチーフにしたのかとも思えますが、デザインした「鈴木儀雄」によれば、UFOをモチーフにしたらしいです(^^;
あと、それまでのウルトラマンと違って、「鼻」を明確にしたらしい。
なるほどねー。
これは言われて見れば納得。
ちなみに、レオの故郷・獅子座L77星は、M78星雲とは「共通の先祖を持つ兄弟星」、という設定になっているらしいです。
ウルトラマンと系統が似ていることは、これで納得しましょう。
ところで、ウルトラマンレオには、ウルトラセブンこと、モロボシ・ダンが登場します。
ウルトラセブンは、タロウの後を受け、再び地球防衛の任に就き、モロボシ・ダンとして、宇宙パトロール隊MACの隊長というポジションになっています。
しかし、ウルトラセブンへの変身能力を失い(変身アイテム・ウルトラアイが壊れている)、代わりにレオを鍛えることになるわけです。
ちなみに、ウルトラアイがなぜ壊れているのか明確な描写がありません。
ファンの間では、
- 戦いで壊れた
- レオに覚悟を決めさせる為にわざと壊した
の2つの説があるようですね。
ただ、本編中には、特訓に苦しむゲンの姿を見て、モロボシ・ダンがウルトラアイを見つめるシーンもあるので、前者の説の方がしっくり来るのかな。
つまり、「自分がセブンに変身さえできれば・・・」、みたいな苦悩や葛藤を描いたシーンであり、ウルトラアイを自分で壊したわけではない、という理論ですね。
でも、そこは、重要でなくて、触れたいのは、モロボシ・ダンのスパルタ教育(^^;
当時は、スポ根モノが流行っていたので、その影響かもしれませんが、猛特訓のシーン、これが面白い。
この後、上手くできずに挫けて泣き出すゲンをぶっ飛ばす(愛のムチ)www
それから、印象的なのがコレ。
ゲンの努力ぇ・・・かわいそうwww
さらにには、こんな事まで。
いや、どうですか、この理不尽な特訓w
でも、これも愛する第2の故郷・地球を守る為。
苦しさを乗り越えてこそ、真の戦士になれるのです(^^;
ちなみに、ゲン役の「真夏竜」は、後のインタビューで、
- 滝壷のシーンは、真冬の撮影で下半身が麻痺してしまうほど寒かった
- 先を尖らせた丸太を使う特訓は、非常に危険なシーンであるが全編ノースタントであった
- ジープでの特訓は、「ブレーキの甘いジープでの撮影があって『躓いたら死にますよ』って抗議したら『次いこう』って」、と言われた
と、リアルな過酷さを語っていますw
はい。
それから、ウルトラマンレオでは、もう1つ、胸アツな演出があります。
それが、双子の弟「アストラ」の登場。
第22話で初登場したのを皮切りに、以降、レオがピンチに陥いると度々、助けに現れます。
レオは、猛特訓で強くなったのに、弟のアストラは最初から強いのでしたw
はい。
と、言う事で、ウルトラマンレオ。
前作「ウルトラマンタロウ」の明るい作風とは違って、「生きる厳しさと哀しさを鮮烈に謳う」をキャッチコピーにしたハードなストーリーのウルトラマンです。
タロウとの落差のためか、当初は視聴率もあまり良くなく、第1クールは、14.1%と、当時としては低い数字でした。
さらに、オイルショックの影響もあり、制作費も大幅にカットされたようです。
それでも、テコ入れを実施しながら、なんとか全51話を放送し終えましたが、最終的には平均視聴率は10.9%に留まりました。
そして、本作をもって第2期ウルトラシリーズは終了となるのでした。
確かに、ウルトラシリーズの中では、他のウルトラマンより人気、知名度は劣るかもしれませんが、特訓シーンやら、アストラの登場やら、そのアストラ(偽アストラだが)がきかっけで起こるウルトラ兄弟とのいざこざ等、面白いエピソードも多いです。
近年では、2013年9月に、COMPLETE DVD-BOXが発売されています。
興味のある方は、ぜひ。
以上
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