
『グロイザーX』とは、桜多吾作原作の漫画、ナック(現:ICHI)制作のロボットアニメ。1976年(昭和51年)7月1日から1977年(昭和52年)3月31日まで、毎週木曜日 19:30 - 20:00に東京12チャンネル(現・テレビ東京)で、全39話が放映された。第1話のサブタイトルから「大空の王者 グロイザーX」や「空爆ロボ グロイザーX」とも呼ばれるが、公式には単に「グロイザーX」である。
東京12チャンネル初の巨大ロボットアニメで、ナックでは『アストロガンガー』(日本テレビ系)に次ぐ巨大ロボット作品。
『冒険王』(秋田書店)で、コミカライズ版の『マジンガーZ』を手がけ、過酷で壮烈なストーリーを描いた桜多吾作の原作による。『マジンガーZ』の原作者である永井豪が監修名義で、クレジットされている。
全体的にハードなストーリーが展開され、ガイラー帝国の侵略部隊の尖兵となった、かつての親友と戦わねばならなくなったヒロイン・リタの悲哀や、主人公の仲間やその関わり深い人々が戦いの中で命を落とすなど、悲惨なエピソードも描かれた。敵勢力のガイラー帝国は元来、異星の宇宙調査団だったが、タカ派勢力のクーデターにより侵略部隊と化したものであり、ガイラー星人もヤン博士とリタ親子に代表される平和主義者や、帝国の隊長にも意に反して、ゲルドン帝王の下で地球侵略のため戦うことを強要されている者が存在するなど、従来の単純な悪の権化としての敵組織とは一線を画す描写がなされている。
終盤は地球人とガイラー星人の平和主義者たちが、ガイラー帝国に立ち向かう、連続したストーリーが展開された。最終回では戦いが終わった後の後日談に多くの時間が割かれており、地球とガイラー星の未来への希望と、母星に帰還するリタと譲の別れが描かれ、物語が締めくくられた。
■あらすじ
数百年前に地球に飛来し、北極で永い眠りについていた「ガイラー星人」は、「帝王ゲルドン」の野望の下に、空爆ロボによる地球侵略作戦を開始し、その矛先を日本へと向けた。
そのゲルドンに離反したガイラー星人の平和指導者である科学者「ヤン博士」は、娘の「リタ」を自らが開発した最強空爆ロボ、グロイザーXに乗せ、日本へと脱出させる。
負傷しながらも何とか日本へ辿り着いたリタは、茜島飛行場の若手パイロットホープの「海阪 譲(かいさか じょう)」と出会う。
こうして譲は、リタと共に、グロイザーXを駆って、ガイラー帝国の空爆ロボとの戦いに挑むのであった。
「マジンガーZ」を始め、「ゲッターロボ」「鋼鉄ジーグ」等、多くのロボットアニメを作り出してきた「永井豪」の「ダイナミックプロ」が、「桜多吾作」と共同で製作したグロイザーX。
確かに、オープニングテロップには、監修名義で「永井豪」がクレジットされていますね。
ただ、実際は「ノータッチだった」と、後に本人が語っているようです。
そのせいか、それまでの人型ロボット同士の格闘とは違って、飛行機型ロボットの空中戦を主体としたアクションになっています。
実は、本作の製作経緯は、穏やかではありません。
本作を製作したナックの社長「西野聖市」によれば、「永井豪」が当時「マジンガーZ」をめぐって、東映を相手に裁判を始め、東映が「一切、永井豪の作品をやらない」という姿勢を見せたため、ナックに持ちこまれた企画だったようです。
うーん、何か大人の事情ってやつ?
まあ、それは良いとして、オープニング、エンディング、行ってみましょう。
グロイザーX OP
グロイザーX ED
どちらも、力強い曲ですねー。
特にエンディング。
「ハンマー!パンチっ!」、「ゴッ!ゴぉー!!」とか、気合入ってます(^^;
歌ってるのは、「池田鴻」。
「ガンダム」の主題歌を歌ってる人ですよ。
そして、主人公・譲の声は、「アムロ」の声を担当していた「古谷徹」なんですねー。
面白い繋がりです。
さて、グロイザーX。
最初に書いたように、飛行形態=グロイザーXの状態でのアクションシーンがメインで、人型ロボットでの戦闘は少ないのが特徴です。
本作で人型ロボット形態=グロイザーロボが登場するのは、全39話中12話しかありません。
そもそも、オープニング映像でも登場せず、エンディングでもラストに登場するのみ、というレアさ(^^;
ちなみに、グロイザーXからグロイザーロボに変形することを、「ファイトアップ」と言います。
グロイザーX ファイトアップ!
それでは、貴重なグロイザーロボの戦闘シーンを見てみましょう。
グロイザーロボ バトルシーン
いや、ツッコミどころ満載ですが・・・
まず、少女(幼女)の扱い酷過ぎじゃね(^^;
あんなカプセルみたいな所に縛り付けておいて、お構いなしのアクロバティック飛行。
鬼畜過ぎるw
そして、救出も手荒過ぎるよww
ミサイルで敵を打ち落として、チョップでカプセルを切り離して救出。
つか、切り離した際、カプセルがグルングルン回転してるんですけど・・・(^^;
と、まあ、実に面白いんですが、こういう見方ができるのが古いアニメの醍醐味でもあると思うのですよ。
懐かしさあり、ツッコミ所あり。
はい。
続いて、グロイザーXの玩具も見てみましょう。
さすがに、当時は、飛行機→ロボットへの変形可能な玩具は無かったようで、グロイザーX、グロイザーロボ、別々に販売されていたようですね。
ロボットのスタイルも、あまり良くありません。
まあ、当時の超合金は、大抵、こんな感じですね。
ただ、近年、「やまと」から発売されたやつは、かなり格好良いです。
正確な発売日はわかりませんが、たぶん、2008年頃じゃないかと思うんですが・・・
こちらも完全変形とはいかず、パーツを差し替えての変形。
でも、その分、スタイルがかなり良いです
うん、これは、良く出来てるし、カッコいい!
ちなみに、発売元の「☞やまと」。
「►マクロス」や「►ダンクーガ」など、多くのロボットアニメの玩具を発売していましたが、2013年に公式ホームページを閉鎖し、東京の本社事務所も撤収したようです。
アメリカ支社の「YAMATO USA」は営業を継続しているようなので、倒産はしてないとは思われますが・・・。
と、言う事で、グロイザーX。
知名度は低く、飛行形態がメインというロボットアニメにしては珍しい作品です。
そもそも、東映とのトラブルをきっかけとした作品である事に加え、マジンガーシリーズやゲッターロボシリーズなどの永井豪の作品とは完全に独立したストーリーであるため、1980年代まではメディア露出が少ない作品でした。
しかし、1990年代になり、各メディアで取り上げられ、その重厚な内容が知られるようになったと言うことです。
そんなグロイザーXは、2004年に、DVD-BOX(全2巻)が発売されています。
興味のある方は、ぜひ。
以上
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戦闘機型形態がメインの珍しいロボットアニメ、その製作経緯もまた・・・